金融時系列プライスの予測
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ニューラルネットワークは人工知能といわれるが、人間に変わってマーケットプライスを予測できるのだろうか。
高度な数学として取り組んでみた記事。

実はいろいろと試してみたい”NNを取り入れた”と説明のあるEAがあるのだが、次の記事を見つけたためまずこれを理解してから取り組んだ方がよいと思い再び”翻訳”を試みた。

原文に忠実に訳したところ難解な内容がさらに難しくなったため意訳することにした。

原文は「Forecasting Financial Time-Series」。

MQL4 community/Articlesの記事で、アドレスは

http://articles.mql4.com/717

となっている。

以後、訳が間違っている可能性もあるため詳細は上記のサイトで確認してほしい。

題は「金融時系列プライスの予測」とする。

金融時系列プライスの予測

序章

この記事は大変人気のある実用アプリケーション”ニューラルネットワーク(以後NNと略)”を金融の時系列プライスの予測に用いた例について詳しく述べたものである。

金融の分野では予測はもっとも”稼ぐ”ということに関係したものでありビジネスの一つとして考えられている。

金融時系列プライスの予測はすべての投資活動で求められる要素のひとつである。
予測それ自体のコンセプトである「後で利益を得るために今資金を投じる」が、「未来を予測する」というコンセプトに通じる。

それゆえに金融時系列プライスを予測することが、すべての投資の世界(すべての組織的取引所と他の有価証券取引のシステム)の活動の基礎となっている。

この予測の世界の大きさを表したいくつかの数字(Sharp, 1997)を示す。

米国の株式市場の一日あたりの出来高は100億USドルを超える。

米国の株券振替機関は(全18兆USドルの中の)11兆USドルもの量の取引をしていることがわかっており、これは1日あたりでは約2500億USドルになる。

FXの世界ではさらに活発であり、1日に1兆USドルを超える。
これは世界の資金総計の約50分の1に相当する。

よく知られていることとして、すべての取引のうちの99%は投機、すなわち実際の取引を目的としたものではなく、”安く買って高く売り利益を得る”目的で行われている。

これらは取引参加者がプライスの動きを予測することがベースとなっている。
それと同時にここで重要なことは、取引参加者同士の予測がお互いに反対のものとなっていることである。

そのため投機的取引の出来高は市場参加者間の予測の違いの大きさ(=実際には金融時系列の予測不可能性の大きさ)を表している。

マーケットの時系列のこの最も重要な特徴はL.Bachelier氏が考え1990年に書いた記事「【効率的】市場仮説」の背景となっている。

この記事によれば投機家は、ダウ・ジョーンズやSP500(NY取引所)のような指数を使って算出される「平均的マーケット収益性」を信頼することのみできる。

しかしながら、あらゆる投機的利益はランダムに発生し、ギャンブルのようなものである。
マーケットの描くチャートの予測不可能性は、マネーが道に転がっているのを見つけることと同じように困難である(多くの清掃ボランティアが先に拾ってしまうのだ)。

効率的市場仮説はまったく当然のことだが市場参加者に支持されていない。
(なぜなら彼らは「転がっている」マネーをまさに探しているからである。)
彼らの多くは「マーケットの時系列は確率的に見えるがすべてに隠された規則性がある」と確信している、つまり少なくとも部分的には予測可能であると考えているのだ。

Ralph Elliotはテクニカル分析者であり、1930年代にそのような隠された経験的規則性の発見を試みていた。

1980年代に入るとこの考えが少し前に現れた動的カオス理論により強く支持されることとなった。
この理論は無秩序状態とは反対の立場にあり、確率性(ランダムさ)に基づいている。

カオスの連続はランダムに見えるだけであり、ある決まった動的プロセスとして、すぐに短期予測した方向へと向かう。

予測可能な範囲は結局は予測の限界によって制限されるが、予測により実際に利益を得るには必要十分であろう。(Chorafas,1994年)。

そしてノイジーなカオスの連続から規則性を抽出する優れた数学的手法をもつ人々が、彼らより知識の少ない人々の支出からより利益を得ようと望んでいるのかもしれない。

この記事で、金融時系列の部分的な予測の可能性を確認できる特別な事実について紹介し、この予測の可能性を数学的に評価しようと思う。

テクニカル分析とニューラルネットワーク

ここ10年間、テクニカル分析(さまざまなマーケットの動きを示す指標を基にした経験則の集まり)は、ますます人気となっている。

テクニカル分析は、ある1つの金融商品(他の商品とは関連がない)特有の動きに焦点を当てる(Pring, 1991)。

このアプローチは心理的なある事実に基づいている。
それはブローカーが彼らに与えられた短い時間に、彼らの金融商品のみに集中しているということである。

テクニカル分析者として名が知られているAlexander Elder(最初は精神療法士になる訓練を受けていた)によると、マーケットの世界の動きは大衆心理学の特殊な原則によって特徴づけられた群衆行動と大変よく似ていると言う。

群衆効果は思考を単純化し、個々の性質を弱め、集合体の形成を生み、個体の動きよりも原始的な群衆の動きをする。

特に社会的本能はリーダー=オス(またはメス)のボスの役割を高める。

Elderによれば、プライスの(時系列の)曲線はマーケットの集団意識を曲線自身に集めているリーダーである。

マーケットの動きについてのこの心理学的解釈が動的カオス理論を証明している。

マーケットを部分的に予測できる可能性は、比較的少ない内部自由度をもつカオス力学系を形作っているプレイヤーたちの比較的原始的な群衆行動によって決まる。

この考え方によれば、あなたは”大衆”という拘束から抜け出しそして彼らを超え、マーケットの曲線を予測するためには彼らより賢くならなければならない。

この目的を達成するために、あなたが時系列の過去の動きの上で評価されるギャンブルシステムを開発し、マーケットの周囲に流れるうわさと感情に影響されることなくそのシステムに厳密に従うことが考えられる。

別の言い方をすれば予測は1つのアルゴリズムに基づかなければならない、
すなわち予測はコンピューターによって可能でありコンピュータで行われなければならない(LeBeau,1992)。

発展が容易かつテクニカル分析ツールをベースにしたプログラム化された戦略の検証を促進するさまざまなソフトウェア製品をそろえるために、人はまさにこのアルゴリズムを作らなければならい。

この論理によると、なぜコンピューターを戦略の開発の段階で使わないのか?、
知られているマーケット指標を計算し戦略をテストするアシスタントとしてではなく、なぜ最適の指標をみつけその指標に最適な戦略をみつけるために使用しないのか?
ということになる。

NN技術を利用したアプリケーションを使ったこのアプローチは、1990年代初めから多くの勝利を収めており、まったく議論の余地がない強みをもっているため、これに追従する多くの者(Beltratti,1995 ,Baestaens,1997)がでてきている。

まず第1に、NN解析はテクニカル分析のようなものではなく、入力データの種類にどのような制限もしていない。
NNは与えられた時系列のための指標と他のマーケットの金融商品の動きについての情報の両方でありえる。

理由は無いがNNを使用している機関投資家(例えば巨大な年金基金の)が実際に存在する。
このような投資家は巨大なポートフォリオを運用しており、これには異なる市場間の相関関係が極めて重要である。

第2によくある推奨にもとづくテクニカル分析とは違い、NNは対象の金融商品に最適化された指標を発見することが可能であり、その指標を(与えられた)時系列に対して予測戦略を最適化するベースとしている。

さらに言えばこれらの戦略はマーケットの変化に適応可能であり、歴史が浅く動的に発展しているマーケット、特にロシアのマーケットにとって極めて重要である。

NNモデリング自身はデータのみに基づいており、いかなる前記の考えも含んでいない。
これがNNの強みであり、同時にアキレス腱でもある。

利用可能なデータはトレーニングに使うにはおそらく不十分であり、潜在的な入力項目の数があまりに多すぎる。

この話題をさらに進めて、テクニカル分析によって蓄積された経験がいかに金融予測の分野のこれらの典型的な難しさを克服する手助けとなるのかをお見せしよう。

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